花珠真珠の違いと鑑別書の見方【※動画あり】

花珠真珠とは、鑑別書を発行している機関が定めている一定以上の基準に合格した、ホワイト系あこや真珠に与えられる称号として知られています。今回は動画も含めてその基準に迫り、花珠鑑別書の見方も含めて解剖していきます。

花珠真珠の種類とアコヤ真珠との違い

初めて真珠ネックレスを手にされる方は、調べていると色々な言葉を目にするかもしれません。

①あこや真珠ネックレス。

②花珠真珠ネックレス。

③オーロラ花珠真珠ネックレス。

④オーロラ天女ネックレス。

まず確認しておきたいのは、これらすべては日本を代表するアコヤ真珠であるということです。

そのアコヤ真珠の中で、鑑別書を発行している機関が定める一定の品質をクリアしたものに与えられるのが花珠という称号です。

花珠の手前に「オーロラ」という文字がついている場合、それは花珠鑑別書を発行している「真珠科学研究所」という第三機関が定めた独自の称号になります。

★ポイント→すべてはアコヤ真珠で、花珠の前にどんな称号が付こうとも花珠真珠ネックレスの一つに分類されます。

花珠真珠はホワイト系

きれいで高品質なアコヤ真珠ネックレスであったとしても、「花珠」という称号はホワイト系アコヤ真珠ネックレスのみにしか与えられません。

アコヤ真珠には染めて黒やグレーに着色したパールや、もともとブルーグレーの色をしているパールもございますが、それらに「花珠」という称号は与えられません。

鑑別機関が認める「花珠」の称号は、あくまでもホワイト系のアコヤ真珠に限られています。

 

★ポイント→南洋真珠や淡水真珠、グレー系アコヤに花珠は存在しない。

★ポイント→ナチュラルブルー系ネックレスの高品質さを強調するために、「花珠に準ずる品質」などと記載する鑑別機関もございます。

動画で比較!アコヤ真珠と花珠真珠

では実際に花珠と呼ばれているアコヤ真珠と、花珠の基準に届かなかったアコヤ真珠を比べてみましょう。

動画内で3本紹介していますが、初めの2本は花珠ではありません。

最後の1本がオーロラ花珠です。

 

花珠真珠鑑別書を発行している第三機関とは?

花珠真珠の鑑別書を発行している第三機関とはどんな会社なのだろうか?と思われるかもしれません。

鑑別機関は無数に存在しますが、宝石店や真珠専門店(通販を含む)で多く見かけるのは主に3つの鑑別機関です。

株式会社ジャパンジェムグレーディングセンター

真珠総合研究所

真珠科学研究所

花珠真珠鑑別書の様式

以下に各社が発行する花珠鑑別書の画像を掲載します。

ジャパンジェムグレーディングセンター花珠鑑別書サンプル

★ポイント→形状はラウンドで統一、色は白色やホワイトピンク等の表記がありますが、ピンク系も白色と記載される場合があります。

⑥の品質評価欄で、きずの程度が「微~小」表記の花珠鑑別もあります。

真珠総合研究所花珠鑑別書サンプル

ポイント→「花珠真珠と認めます」表記と「花珠の範疇」表記があり、認めます鑑別の方が品質が上です。

 

真珠科学研究所オーロラ花珠鑑別書サンプル

ポイント→オーロラ花珠の鑑別番号は、アルファベットSから始まる数字です。(最新の鑑別ではSSへと変更になりましたが、どちらも有効です。)

真珠科学研究所オーロラ花珠(無調色仕様その1)鑑別書サンプル

ポイント→無調色であることが備考欄に記載されるタイプです。

真珠科学研究所オーロラ花珠(無調色仕様その2)鑑別書サンプル

ポイント→備考欄に記載されず、別枠でピュアカラーと表示される無調色鑑別です。

ポイント→無調色検査はオプション項目の為、無調色表記が無くても無調色真珠であることがあります。

真珠科学研究所オーロラ天女鑑別書サンプル

オーロラ天女に限っては、干渉色タイプにより色味表記が異なります。

グリーンが強いタイプはグリーンピンク・ピンクが強いタイプはピンクグリーン表記となります。

実際には、ピンクグリーン系表記の鑑別が大部分を占めておりますので、グリーンピンク鑑別の天女を探すのは大変です。

ピンクグリーン系であっても、実際にはグリーンが強めの個体もございますので、グリーン系で探される場合は鑑別表記だけで選別すると選択肢がほとんど無くなってしまいます。

オーロラ天女鑑別書最新バージョン

新しいバージョンの鑑別書は上記となります。

若干字体や表記方法などが変わりましたが、大きくは変化しておりません。

鑑別番号がPではなくSPから始まる番号へと変わりましたが、どちらも品質に差はございません。

チェックポイント

記載が沢山あるので、どこを見ればよいのか分からないと思いますが、見るべき項目は限られています。

①パールサイズ

②ペア珠の大きさ(ペア珠も鑑別書に含まれている場合)

③天女に関しては干渉色の種類(オーロラ花珠に関しては干渉色表記はすべて同じです)

④オーロラ実写画像(この部分で色味の方向性も知れます)

⑤巻き厚値(ネックレスは0.5㎜以上出ているものを選択される方が多い傾向にありますが、ペア珠に関しては特に気にする必要はございません。)

この項目さえ見ておけば、後はしっかり見なくても大丈夫です。例えば検査項目などを見る必要はございませんし、オーロラ花珠や天女に関しては傷項目やテリ項目もすべて同じなので気にする必要はございません。

もし更に詳しく知りたい方は、真珠科学研究所の発行する鑑別書の裏面に検査項目の詳細が記載されていますので以下画像から学習してください。

花珠真珠ネックレスの相場

真珠ネックレスの相場とは?【※2024年最新】

上記の記事でも触れていますが、真珠ネックレスは機械物と違って型番が存在しないので相場というものが存在しにくくなっています。

しかしながら花珠鑑別書という鑑別機関ごとの合格基準が定められていることから、ひと珠当たりの単価を安くすることで価格競争が起こる場合がございます。

そういったパールは、たとえ花珠という称号が与えられていたとしても実際には高品質でない可能性がございます。

具体的には、当年もの(一年養殖パール)を使用して組み上げられた花珠真珠ネックレスは、しっかり選別しないとすぐに劣化する傾向にあります。

パールが当年物か越物(長期間養殖された巻きの良いパール)かを判断するのは目視では難しい作業になりますので、あまりにも安すぎる花珠真珠ネックレスに手を出すのにはリスクがございます。

調色の度合いにも注目

ほとんどのパールには、浜上げ後に調色という工程を踏んで製品化へと進みます。

調色には若干の染料を含みますが、これは染には分類されずエンハンスメント(宝石の美しさを高める処理)として認識されます。

調色をすることによって、パールのベース色を揃えることが容易になり生産効率にもつながります。

加工業者によって調色をする度合いは異なりますが、比較的強めに調色されているのが最近のパールです。

花珠真珠ネックレスは9ミリが良いか?

花珠真珠ネックレスを選択するにあたって、パールサイズは重要なポイントです。

オーロラ花珠真珠ネックレス【※プロならこれを買う】

の記事でも触れていますが最近は大きい花珠真珠ネックレスを選択される方が多い傾向にございますので、すでに1セットお持ちの方や今後買い替える予定のない方は8.5㎜以上のサイズをお勧めいたします。

9ミリが欲しいという方もたくさんおられますので、9-9.5㎜サイズも十分視野に入れることが出来ます。

お店では7㎜や7.5㎜、ネット上では8㎜までという意見がございます。

ほとんどの業者も7.5㎜や8㎜を勧めますが、当店では8.5㎜以上のパールを手にされている方が圧倒的に多く、8㎜を仕入れても売れ残るので意図的に数を少なくしております。

サイズ表記について

鑑別書のパールサイズ表記を確認しますと、8.0-8.5㎜や8.5-9.0㎜など0.5㎜の差があることがわかります。

時々すべて8㎜のパールが欲しいという問い合わせがございますが、パールの仕様上誤差が0.5㎜になるように意図的に組まれています。

仮に9.0-9.5mmとしますと、一般的に留め具が付く付近のパールが9.0-9.2㎜程で中央付近が9.3-9.5㎜程となり、中央に行くにつれて珠が大きくなるように意図的に組まれております。

実際には0.5㎜の差は真珠を扱う者たちでないと気付かないような範囲の誤差ですので、鑑別書に0.5㎜の誤差が記載されていたとしても疑問に思う必要はございません。

花珠真珠に適正な長さは?

花珠真珠ネックレスの長さに関してもよく問い合わせをいただきます。

一般的には留め具の部分を含めて43㎝に加工していますが、この43㎝は一番標準の長さとなっています。

鑑定書のお写真をご覧いただければわかるかと思いますが、一本分のネックレスとして鑑別書を申請しています。

留め具を付けない場合パール部分は約41㎝程となっていますが、こちらを糸で組み上げるとちょうど留め具を含めて43㎝位になります。

ステンレスワイヤーを用いる場合は留め具側に圧着パーツがつくために、43㎝に合わせるために1珠余らせております。

よってステンレスワイヤー加工の場合は、1珠を余り珠として同封させていただくことがほとんどです。

糸加工よりも仕上がり時に1珠少なくなりますが、それによって着用時の見た目が変わることはございません。

むしろ1珠残しておくことにより、交換用のスペアとして活用できますので非常に便利です。

 

標準的な体型の方は43㎝で十分ですが、

①首回りが細めの方は40-42㎝

②太めの方で44㎝や45㎝にすることが可能です。

45㎝以上を希望される方の場合、鑑定書に申請している球数では長さが足りない場合がございます。

そのような場合は、パール間すべてにシリコン製のクッションを挟む加工を行うことで、46-47㎝位まで延長できる場合がございます。

珠を実際に追加して対応する場合は、別と追加料金が発生します。

花珠真珠は糸で組むのが良いのか?

花珠真珠は真珠専用糸で組む場合と、ステンレスワイヤーで組む場合に大きく分かれます。

今用いられている糸は化学繊維のGPTですので、糸切れの心配はかなり少なくなっておりますが、使用頻度によって数年に一回程度交換が必要です。

そういった心配が要らないのがステンレスワイヤーで組んだネックレスとなりますので、好みに合わせて選択可能です。

 

当店の真珠ネックレス在庫表は以下からご覧いただけます。

真珠ネックレス最新在庫表