GPT糸

真珠ネックレスの糸を交換しない場合、着用時に切れてしまってパールが地面に散乱する事態に。大切な行事も台無しです。

この記事では普段から安心して真珠ネックレスを着用するために、事前に出来る対策や自分でメンテナンスする方法について解説させていただきます。

自分のパールネックレスは糸ではないかもしれない。

日本国内で購入した・もしくは購入する真珠ネックレスの場合、主に2パターンが存在します。

  • ステンレスワイヤーで組んでいる
  • 糸で組んでいる

真珠ネックレスが糸なのか・ワイヤー仕上げなのかを確認する方法は以下の通りです。

真珠ネックレスが糸なのかワイヤーなのかを確認する方法

方法は簡単です。

ステンレスワイヤーの場合

留め具とパールを繋いでいる場所に圧着パーツが付けれられている場合、ステンレスワイヤーでほぼ間違いありません。

パールと留め具を繋いでいる部分を拡大している。このネックレスにはエンドパーツがあるのでワイヤーで組まれているパールと留め具を繋いでいる部分を拡大している。このネックレスにはエンド部分に圧着パーツがあるのでワイヤーで組まれている

種類はいくつかありますが、共通点としてパールと留め具(クラスプ)間に小さなパーツが取り付けられている事。

糸の場合

真珠ネックレスが糸で組み上げられている場合、留め具とパールの間には何もありません。

パールと留め具を繋いでいる部分を拡大している。このネックレスは糸で組まれている

よく見ると質感から糸である事も確認できるので断定できます。

糸VSステンレスワイヤー

真珠のネックレスを組むのは糸が良いのか、ステンレスワイヤーが良いのかで意見は分かれます。一般的な見解は以下の通りです。

  • 糸はしなやかで仕上がりが良く見た目も良いが、定期的に交換の必要がある。
  • ステンレスワイヤーは楽でお店側にメリットがあるが、時として切れる事がある。

上記はあくまでも一般的な考え方です。当店ではステンレスワイヤーを採用していますが、その理由を挙げます。

当店がステンレスワイヤーを使う3つの理由

・見た目が悪いのはガチガチに組むのが原因。適正に組めば糸と同じ見た目になる。

・ワイヤーが切れてしまう極端に曲げるシチュエーションなど、通常使用ではありえない

・メンテナンスの必要がなく、組むのも簡単でお店も購入者にもメリットがある。

もし当店以外での購入を検討される方は、通常は糸の方がメリットがあるかもしれません。

パールの糸メンテナンスはいつ頃?切れる前のサインは?

古いネックレスでなければ、日本国内でよく利用されている真珠ネックレス用の糸は、グンゼ社から発売されているGPTという糸を使用します。

この糸は、同じ太さのステンレス糸よりも引っ張り強度においては優れているという非常に強力な糸です。

お値段は普通の糸よりも高く、1000mですと3000円前後です。(短くばら売りしている場合もある)

当店でも糸を使用する場合GPT繊維を使用していますが、一般家庭で見かけるポリエステル製のものと比べるとだいぶ硬い印象です。

この質感を見ると切れるという印象はまずないので、数年くらいでは交換の必要はありません

もちろん、ポリエステル製絹糸を使用する場合もありますので、中古ネックレスの場合は早めに交換が必要です。

結局交換はいつがいいのか?

法律で点検が決まっているわけではないので、自分で判断する事が大切です。糸が切れそうなのか大丈夫なのか、目視で大体の事はわかります

汗を沢山吸い込んでいて劣化しているのであれば、糸が黄色くなっているかもしれません。ぼろっと糸の一部が出て来ているかもしれません。

人間の目で判断して、大丈夫なのか大丈夫でないのかの判断はプロでなくても可能です。もしそれが心配なのであれば、今すぐステンレスワイヤーに変更するのがおすすめではないかと思います。

オールノットとは?

オールノットは、パールとパールの間全てに結び目を作って仕上げる方法です。中国の淡水真珠では基本的にオールノットが採用されることが多くなっています。

オールノット

日本ではごくまれに用いられますが、

  • 糸が切れた際にパールがバラバラにならない
  • 糸やワイヤーで仕上げるよりも更にしなやか

上記の理由で一部の方に愛されている加工法です。

糸替えに必要な費用は?

パールネックレスの糸を変えるには、自分で交換する方法と、交換してもらう2つの方法があります。

手先が器用な方でしたら、ご自身で真珠ネックレスの糸を交換することも可能です。心配ならば練習用にイミテーションの激安パールを買ってみても良いかもしれません。

真珠に空いている穴の直径が小さいのでネックレス用の針が必要になりますが、針と糸さえそろえれば交換が可能です。個人的には特別に技術がいるとは思いません。

注意点

・パールの順番や向きを間違えないようにする。

糸替えの方法はYouTubeで検索すれば出て来ます。

委託する場合

業者や専門店に委託する場合、加工法にもよりますが大体3000円前後を目安にしておくと良いと思います。オールノットはもう少しする可能性もあります。

購入すれば糸替えサービスを無料で実施していることもあります。

当店でもステンレスワイヤーから糸替え、他店で購入されたお持ちのネックレスをステンレスワイヤーに変更するなどのサービスを実施していますが、基本的にステンレスワイヤーで販売する事がほとんどなので、メンテナンスで利用される方は年間で数回です。

お手入れ方法も確認しておく

パールネックレスは定期的にメンテナンスが必要です。糸交換以外にもお手入れを怠っていると早期劣化に繋がるからです。

そうならないためにも、お手入れの方法も知っておく必要があります。

まとめ

真珠ネックレスの糸に関する疑問は、まず自分のネックレスが糸であるかワイヤーであるかを知ることが大事です。

それに加え劣化の兆候を知る為にも状態を定期的に観察し、必要に合わせて交換・ご自身でトライする事で長くご使用いただけます。