オーロラ天女は、その極上の美しさを誇る特別な真珠として、真珠鑑別機関である真珠科学研究所によって定義されています。本記事では、オーロラ天女とは何か、オーロラ花珠との違い、オーロラ天女ネックレスの選び方やピアス・リングの天女鑑定について、詳しく解説していきます。

オーロラ天女の定義

「オーロラ天女」とは、真珠科学研究所が発行する最高品質シリーズの真珠に与えられる称号です。一般的に「オーロラ花珠」と呼ばれる最高品質シリーズの真珠の中でも、特に輝き(テリ)が優れたものだけが「オーロラ天女」に認定されます。真珠の品質に関しては様々な要素が影響しますが、オーロラ天女において特に重要視されるのは、この「テリ」の強さです。

真珠の最高峰ではない

勘違いしてほしくないのは、オーロラ天女の鑑別書がついているからと言って、その真珠が最高峰の象徴ではない事。あくまでも真珠科学研究所という鑑定機関が定める最高品質シリーズの一つであることを忘れないようにしましょう。

オーロラ天女あこや真珠ネックレス8.5-9.0㎜ペア付きTOP ELEGANTモデルセットを横から見ている

そして、オーロラ天女は真珠科学研究所の基準の中でも最高峰(三角形の頂点)として記載されていないことも特筆すべき点です。カタログを参照すれば、オーロラ天女は円錐グラフで頂点に君臨しているように一瞬感じますが、オーロラ花珠という大きな枠の中にテリ項目だけ特化しているのがしっかり確認できます。

ですから、真珠科学研究所の中でもオーロラ天女は「テリ特化鑑別」であって、最高品質シリーズ「オーロラ花珠」の枠内にあるグレードの一部という認識は変わりません。

本当の意味での最高峰の定義を知りたい場合は過去記事をご参照ください。

真珠ネックレスの最高級クラスとは?【※花珠は間違い?】

オーロラ天女を鑑定鑑別するプロセス

オーロラ天女の鑑定プロセスは非常に厳格です。まず、真珠が「オーロラ天女」として認定されるためには、「オーロラ花珠」の基準をクリアする必要があります。この基準には、真珠層の厚さ、形状、傷の少なさ、色彩などの厳しい鑑別機関独自の基準をクリアする必要があります。その上で、さらに「テリ」の強さを測定し、テリが特に優れている真珠のみが「オーロラ天女」に選ばれます。

オーロラ天女鑑別書の傷、形、カラー項目

しかし天女に選ばれるというのは、鑑別申請者がオーロラ天女の鑑別を依頼した時のみであって、真珠科学研究所が自動的に振り分けてくれるわけではありません

オーロラ天女の鑑定は主にコンピュータ解析することで行われ、検査項目のうちオーロラ実写画像の色彩分析が90点以上であれば「オーロラ天女」に認定されます。この精密なプロセスにより、最高の輝きを放つ真珠だけが「オーロラ天女」の称号を手にします。

オーロラ天女の鑑定はネックレス・ピアス・リングで基準が異なる

オーロラ天女の鑑定には、ネックレスの他にもピアス(ペア珠)やリング珠(片穴のパール1つ)の鑑定も行うことが可能です。

注意すべき点としては、ネックレス・ペア珠・リング珠では鑑定の基準が異なるという事です。

わかりやすく言うなら、ネックレスの中の1珠を取ってアクセサリーに仕上げても、それ単体ではオーロラ天女とは言えません。

真珠ネックレスにはサイズにもよりますが45-50珠程のパールが連なっており、それらが1つの集合体としてオーロラ天女の評価がなされています。ですからこの集合体をばらした物は単体でオーロラ天女とは認識されないわけです。

時々ですが、オーロラ天女として合格したネックレスの珠をばらして一珠一珠ずつ販売している事例も見られます。

もちろんオーロラ天女として合格したネックレスの珠を使用しているので高品質である事には変わりませんが、その1珠ネックレスは鑑定機関では「オーロラ天女」としては評価されない事を覚えておきましょう。

ですから、天女ネックレスをばらして1珠1珠販売する場合、その商品が「オーロラ天女」合格品とは言えないため、「オーロラ天女」に合格したネックレスの珠を使用して作成しています!などと記載されることが多いです。

アコヤ真珠ピアス8.6㎜オーロラ天女鑑別付きTOP ELEGANTシリーズを正面から見ている

同じ原則はペア珠にも適用できます。

ペア珠を1つ1つペンダントネックレスやリングに加工したとしても、それをもう一度「オーロラ天女」として申請しても合格する保証はありません。ペア珠は2つのパールの集合体として評価されているので、それをばらしても「オーロラ天女」にはならないのです。

このように集合体としての考え方を持っていると理解すれば、オーロラ天女の中でも一番厳しいのはリング用の1珠鑑定という事になります。

ネックレスのような数十珠が集合体として評価されていれば、少し傷があっても全体の美観が大きく損なわれていなければ「オーロラ天女」として合格することがあります。

ただリング用のように1珠勝負となった場合、傷は見た目を損なう要素となりますので、リング用「オーロラ天女」のパールに傷があることは基本許されません。

オーロラ天女とオーロラ花珠の違い

「オーロラ天女」と「オーロラ花珠」はどちらも非常に高品質な真珠ですが、最大の違いは「テリ」にあります。「オーロラ花珠」も総合的に優れた真珠ですが、その中でも特にテリが際立っているものが「オーロラ天女」とされます。

多くの人が誤解する点として、オーロラ天女が「キズが少ない」「真珠層が厚い」といった品質の面でも優れていると思われがちですが、「オーロラ天女」という鑑別は「オーロラ花珠」に合格した中からテリのみにフォーカスされた鑑別書という位置づけになります。

オーロラ天女とオーロラ花珠の違い【※スッキリ解決】

こちらの記事でも詳しく扱っていますが、「オーロラ天女」がテリのみにフォーカスされているという事は、あるネックレスはテリがオーロラ天女の基準には届かなくても傷の面ではより優秀という事も十分あり得ます。

多くの消費者や販売店ではオーロラ天女が上→オーロラ花珠が下というランク付けがなされる傾向にありますが、上記グレードの違いによりオーロラ天女よりオーロラ花珠の方が高くて総合品質で一部の天女を上回るという現象は普通に生じます

だからこそ、正確にはオーロラ天女→オーロラ花珠とランク付けできないのが事実ではありますが、多くの場合高価格帯のオーロラ花珠は消費者に理解してもらうのが難しく、価値を感じてもらうのに苦労する為、天女1位、オーロラ花珠2位という位置づけがされている事がほとんどです。

オーロラ天女の選び方

オーロラ天女を選ぶ際、注目できる点としては4項目です。

①色の違い(干渉色と調色の有無)
②テリの強さ
③巻き厚
④独自性

色の違い

オーロラ天女の真珠には、ピンク、ピンクグリーン、グリーンピンクの3つの干渉色(真珠表面に現れる光の反射色)があります。これは光の反射と屈折によって現れるもので、真珠自体の色(ボディカラー)はホワイトが基本です。

  • ピンク系:華やかで女性らしい印象
  • ピンクグリーン系:上品でエレガントな色合い
  • グリーンピンク系:上品で落ち着いた印象

それぞれの干渉色は、個々の好みやシーンに応じて選ぶとよいでしょう。

個体数で言えば圧倒的にピンクグリーンが多いのが現状です。

調色と無調色

真珠を選ぶ際、更に注目できる点として「調色」か「無調色」かという点です。これは干渉色とはことなり、真珠のベースとなる色に関係してきます。調色とは、真珠を加工するにあたり人工的に色を加えるプロセスで、主に色の統一感を出すために行われほとんどの真珠に行われる通常の工程です。一方、無調色とは、その調色プロセスを省いた真珠の事を指します。

トップ品質オーロラ天女無調色8.5-9.0㎜ペアセット巻き0.55㎜(PS加工済み)

無調色の真珠は、ナチュラルカラーなどと呼ばれることがあるために人気であり、一部の販売店では価格も高く設定している場合がありますし、そうでない場合もあります。(無調色に付加価値を見出すかどうかは主に販売店が決めている項目です)

オーロラ天女無調色8.5-9.0㎜トップ品質の中央付近を拡大している

オーロラ天女が調色か無調色かは、鑑定書の備考欄を確認することで見分けることができる場合があります。無調色の場合、「着色を認めません」などと明記されているため、確認するのも一つの方法です。

ただ無調色鑑別の表記に関しても申請者が決めることなので、無調色だけれでも備考欄に記載しないという選択も可能です。

オーロラ天女鑑別書を発行できる真珠科学研究所は鑑定を受け持っている機関であり、公平な立場で鑑定をするものの、記載項目や鑑別の種類に関しては申請側に選択の権利がゆだねられているという事を忘れてはなりません。

ですから、オーロラ天女を選ぶにあたって大切なのは調色か無調色かという事よりも、好みの色かどうかというのが重要なポイントです。

ベースとなる色が真っ白なパールが欲しい場合、数は少ないですが無調色がベストな選択となります。

調色真珠にはベースにほんのりとピンクが含まれているので、絶対にピンクがダメという方もほぼほぼ無調色一択になります。

ただ、多くの人が手にしているのは調色のオーロラ天女であることも忘れないようにしたいものです。

真珠の色に関しては更に以下の記事も参照可能です↓↓

真珠の色とランク・最高級オーロラ天女のランクについて

テリの強さ

オーロラ天女であればすべて同じテリと思われがちですが、オーロラ天女の中でもテリの強さには個体差があります。また時間が経過している商品であればテリが弱くなっている可能性も否定できません。

あこや真珠ネックレス8.5-9.0mmオーロラ天女無調色を正面から見ている

テリの強さが一番の特徴であるオーロラ天女を選ぶ際には、ぜひ複数比較検討してテリの強い個体を選びたいものです。

また特に通販の場合には実物の画像かどうかも大切です。

巻き厚値

オーロラ天女にも、オーロラ花珠同様に巻き厚値が記載されています。厚ければ厚いほどテリが良く美しいと思われがちですが、オーロラ天女もオーロラ花珠も0.4㎜以上が合格基準であることを考えると、巻き厚値と美しさにそこまで大きな関係はないと言えます。

オーロラ花珠鑑別書巻厚値

一般的には珠サイズが大きいほど厚みが出る傾向が強いですが、オーロラ天女を選ぶ際は巻き厚値が最重要項目ではないことを忘れないようにしたいものです。

好みのテリ感や色味、そして以下で記載する独自性を見つける方が重要であり、巻き厚値も出ていればおまけ程度にとらえるのか良いでしょう。

以下の記事も参照できます。↓↓

真珠のまき厚に関しての見解

独自性

当店が特に重視したいのは、この独自性です。

オーロラ天女鑑別付き商品というのは、どこでも見かけることが出来ます。もしこれらが同じような質感なのであれば、ロットを付けて統一すればいいだけの話。

そうすれば価格競争が発生し、消費者にとって選ぶのは比較的簡単な事です。

参考記事↓↓

オーロラ天女の価格相場【※最新情報】

でもそうでないという事は、やはりそれぞれ個性を持った個体であり、独自性があるという事を指しています。

オーロラ天女を選別する際には、ぜひこの独自性を重視していただければと思います。

当店のオーロラ天女に関しては、TOPELEGANTシリーズとして、劣化に強く、テリが強くてもギラギラしない上品なテリをモチーフにして販売しております。

Top Elegantシリーズ紹介

まとめ

オーロラ天女は、真珠の中でも特に優れた「テリ」を持つ最高品質の真珠です。オーロラ花珠との違いは主にテリのみであり、巻きや形状・傷の基準はほとんど同じです。選び方のポイントとして、干渉色や調色の有無を確認し、独自性のある自分の好みの商品を選ぶとよいでしょう。真珠は一生ものの宝石ですので、慎重に選び、自分にぴったりの一品を見つけてください。

オーロラ天女真珠ネックレスセット(トップ品質一覧)

オーロラ天女あこや真珠ネックレス8.5-9.0㎜ペア付きTOP ELEGANTモデルセット

オーロラ天女あこや真珠ネックレス8.5-9.0㎜ペア付きTOP ELEGANTモデルセットを正面から見ている

オーロラ天女あこや真珠ネックレス8.5-9.0㎜ペア付きTOP ELEGANTモデルセット

テリのレベルが違う!本物の高品質オーロラ天女。天女鑑別書が付くネックレスの中でもこれだけは別格!この輝きはまず手に入りません。

オーロラ天女ピアス(TOP ELEGANTシリーズ)

オーロラ天女ピアスもトップに相応しい品質の商品をご紹介しています。テリにこだわった最高のオーロラ天女のみを扱っておりますので、色の深みを感じる事ができ大変満足頂いております。

アコヤ真珠ピアス8.6㎜オーロラ天女鑑別付きTOP ELEGANTシリーズ

オーロラ天女ピアス8.6㎜トップエレガントシリーズを正面から見ている

オーロラ天女ピアスは、現在8.6㎜のTOP ELEGANTシリーズを在庫しております。通常の天女では不可能な鏡面のきめ細かさをお楽しみいただけます。

アコヤ真珠ピアス8.6㎜オーロラ天女鑑別付きTOP ELEGANTシリーズ

オーロラ天女リング

オーロラ天女リングは現在受注生産品となります。オーロラ天女リングは単独でお求めになる方よりも、ネックレスとセットでお求めになる方が多い為、色味などをネックレスと合わせる作業が必要となる為に受注生産としております。

シンプルなPT900リング枠から、メレ付きのデザインなどご紹介可能です。リングには中抜きしていない高級タイプを使用しているため若干お値段は高めではありますが、変形に強く長期的に使用される際に耐久性が異なります。

お求めの際には、

1、パールサイズとパールの種類

2、リング枠のデザイン

3、リングの号数

等をお問い合わせ欄からご記載ください。

シンプルタイプのPT900(9㎜パール用)リング枠は在庫がございますので、比較的短期間でお作り可能です。