
本真珠とは何を指すのでしょうか?簡単に言ってしまえば、偽物以外の真珠すべてを含みます。当然養殖された真珠も含まれます。少しわかりにくい事もあると思いますが、しっかりと区別できるようにまとめたいと思います。
本真珠の種類
真珠には様々な種類がありますが、以下表にまとめました。
真珠 | |
本真珠 | イミテーション(偽物) |
天然真珠 | 貝パール・プラスチックパールなど |
アコヤ真珠 | |
南洋真珠 | |
淡水真珠 | |
マベ真珠 | |
コンクパール等 |
この表からわかるように、一般的にはイミテーションパールを除くものはすべて養殖であろうが本真珠であると言えます。また、カリブ海で生息するピンク色のコンクパールも、本真珠として扱われています。
マベ真珠とはマベ貝から採れる真珠のことで、貝の形に特徴があります。
天然真珠と養殖真珠
本真珠と聞くとつい天然の真珠(まったく人の手が入らない)を想像してしまいがちですが、現在売られているほとんどの真珠が養殖真珠で、意図的に真珠層を貝に作らせています。
真珠はもともと貝内に異物が混入した際に、自らを守ろうとするために自身が真珠の元となる物質を分泌して異物を包み込むことで形成されるものです。
これを養殖では意図的に貝内に異物を混入して真珠層を形成させています。
綺麗な真円の真珠が出来るかどうかは当然運次第となりますが、なるべく真円になるように、挿入する異物も球体のものが使われています。これがよく言われる「核」と呼ばれているものです。
天然で真円はありえない?
真円に極力近く傷がない真珠を養殖するのはこの核を挿入することによって可能になりました。よって、この真円に近い真珠をもし人に依存しない環境で生成することは非常に困難です。
偶然見つけた天然真珠貝の中身を開けてみて真円に近い真珠が採れるという事はまずありえない事です。ましては真珠のネックレスを天然物で作ろうとするならば、粒の大きさもそろえる必要があるので、もっと難しい作業になります。
天然で採れる真珠と言うのはほとんどが「いびつな形」をした真珠になります。
アコヤ真珠と淡水真珠
アコヤ真珠とは日本を代表する真珠で、淡水真珠は現在では中国でかなり有名な真珠となっています。
私たちが日本の宝石店などで見かける真珠と言えば、多くがアコヤ真珠と淡水真珠の2種類です。
価格を比べてしまえば、1枚の貝からとれる真珠の数の希少性という点でアコヤ真珠の方が圧倒的に高い傾向にありますが、先ほどの表で確認したように、どれもが立派な本真珠です。
元となっている貝の種類が違うので色合いや輝き方が多少違いますが、初心者がこの両者を区別するのは難しい作業になります。
詳しくは、
をご覧ください。
アコヤ花珠真珠ネックレスに関してはこちらもご覧ください。
アコヤ真珠=本真珠?
淡水真珠を扱っていますと、お客様から「本真珠が欲しい」という声をよくお聞きします。
淡水真珠もWikipedia等を参照すると本真珠の仲間として扱われていますが、日本ではアコヤ真珠=本真珠という概念が深く浸透しております。
また、淡水真珠=バロックや歪な形をした物というイメージも日本では非常に強く、形の違いで両者を判断される方もいらっしゃいます。
真珠の形に関しては、淡水真珠に核を挿入していない事から ほとんどの粒がバロックや歪な形になりやすい傾向にあるのは事実です。
しかしながら、無核の淡水真珠であったとしても真円のものや、核を挿入した真円に近いパールを養殖可能で、そういった真珠はアコヤ真珠同様高取引されます。
販売店や鑑別機関の現状
販売店には、淡水パールであったとしても本物の養殖真珠(CULTURED PEARL)である事を指すために、「本真珠保証」シールが貼られる場合があります。
それは通販や、伊勢志摩の真珠販売店でも見られます。
しかしながら第三機関の鑑別機関に淡水パールを依頼すると、淡水パールは「真珠」と表記できても「本真珠」と記載できないとの回答が返ってきます。
日本国内では本真珠=アコヤ真珠という考えが浸透しており、専門家と消費者間、本物の真珠という意味で捉えている本真珠の概念と、アコヤ真珠のみが本真珠という主張の違いが生じています。
その為、パールの種類にこだわりを持っている方は、購入前に本真珠と表記されていても淡水真珠なのかアコヤ真珠なのかをご自身ではっきりさせる必要性があります。
まとめ
本真珠と聞くと人の手がまったく入らない天然真珠や、海真珠、アコヤ真珠の事を想像してしまいますが、淡水域で育った真珠や養殖真珠も含めて全て本真珠と呼ばれている場合と、アコヤ真珠のみが本真珠という意見があります。
本物の真珠と言う意味において、その種類は大きく分けて、
天然真珠・アコヤ真珠・淡水真珠・南洋真珠・マベ真珠・コンクパールの6種類が挙げられます。