
真珠ネックレスを選ぶ際に「巻き厚はどのくらいが良いのか」と悩まれる方が多くいらっしゃいます。特に高額なアコヤ真珠や花珠を検討されている方にとっては、見た目の美しさや将来的な劣化への不安を和らげる大事なポイントでもあります。
この記事では、「巻き厚とは何か」「厚ければ厚いほどいいのか?」「耐久性との関係は?」といった疑問に対し、当店が実際に取り扱ってきた経験をもとにわかりやすく解説していきます。
真珠の巻き厚とは?耐久性と美しさを左右する要素
はじめに、巻き厚に注目すべき理由から書いていきます。
真珠の品質を決定する要素はいくつかありますが、中でも「巻き厚(まきあつ)」は、耐久性や輝き(テリ)を左右する極めて重要なポイントです。
「巻き厚」とは、真珠の核を包む真珠層の厚みのことを指します。薄すぎると核が透けて見えるような鈍い輝きになり、逆に十分な巻きがあると、光を内部で反射・屈折させることで深みのある美しいテリが生まれます。
巻き厚とは?真珠の構造から解説
天然真珠でも養殖真珠でも、構造は基本的に同じです。中心には「核」があり、その上に真珠層が幾重にも巻きついています。
この真珠層がどれほど厚いか、つまり“巻き厚”がその真珠の見た目や強度に大きな影響を及ぼすのです。
核と真珠層の関係
核:丸く加工された貝殻のかけら
真珠層:炭酸カルシウムの結晶とコンキオリン(たんぱく質)からなる層
真珠層が多い=巻き厚がある、ということになります。
巻き厚の測定と「平均値」の意味
多くの鑑別書では、巻き厚が「0.3mm」や「0.5mm」といった数値で記載されています。しかし実際のところ、この値はどこまで正確なのでしょうか?
平均値であることに注意
鑑別機関が測定する巻き厚値は、「全ての珠を1粒ずつ測定して平均を出している」と思われがちですが、現実的には以下のような方法が推測されています(あくまでも推測です)
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ランダムに数珠を抜き出して測定
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表面の測定から内部構造を推定
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超音波測定器などで非破壊的に推定
つまり、**巻き厚値は“全体の傾向を表す目安”**であり、個々の珠ごとの正確な数値ではありません。
巻き厚と鑑別書の信頼性
真珠科学研究所では真珠層が0.4mm以上あると、「厚巻き」とみなされるため、0.5mm以上になると購入する側としては安心と思われがちです。さらに、0.6mmを超えると「高品質や越物」などの条件の一つになる場合があります。
厚い巻き=美しい?は本当か?
多くの人が「巻きが厚いほど美しい」と考えがちですが、これは完全に正しいとは言えません。
実際は“適切な厚さ”が最も美しい
・巻きが薄すぎると、核が透けてしまい、輝きが乏しくなる。
・しかし、巻きが厚すぎても、光の反射が鈍くなり、かえってテリが出にくくなる場合もある。
つまり、「巻き厚=美しさの保証」ではなく、「適度な厚みと構造バランス」が大切なのです。
巻き厚と耐久性|本当に関係ある?
巻き厚が厚ければ「劣化しにくい」と言われることがあります。これはある程度事実です。
真珠層が厚い=耐久力が高い
汗や皮脂、酸などに触れた際、表面が少しずつ劣化していきます。その際、真珠層が厚ければ多少の摩耗でもすぐには核が見える状態にならず、長持ちします。
ただし、巻き厚が出ていても加工状態が悪ければ部分劣化が起きやすいため、テリ・キズ・加工技術もあわせて見る必要があります。現に当店では0.7㎜巻いているパールでも早期劣化している個体を見たことは沢山あります。
当店では、加工状態が優れた劣化に強いパールを最高品質TOP ELEGANTシリーズとして販売しております。
販売者の見解|鑑定書も“商品の一部”
真珠ネックレス専門店Elegant Pearlでは、巻き厚に関して以下のような見解をしています:
「まき厚値が綺麗さに直結しないとしても、当店は比較的まき厚値を重視しています。鑑別書も商品の一部と捉えており、消費者はより高い数値の方が安心につながると認識しています。」
もちろんテリあっての選別となるために、どうしても0.4㎜台しか出なかったということもあります。ただ、将来的な信頼性・安心感を含めて、巻き厚もある程度重要な判断材料と捉えています。
巻き厚を気にしすぎるのは逆効果?
巻き厚を重視しすぎると、「0.6mmは少ないからダメ」「0.8mm以上が欲しい」など、過度なスペック偏重に陥ることがあります。実際にそのようなお客様と何度もお話してきました。
しかし、超高品質ネックレスでも0.5〜0.6mm台は普通にありますし、実際の美しさは数値ではなく、実物のバランスによって判断すべきです。
巻き厚と価格の関係
基本的には、巻き厚がある真珠は養殖期間が長いため、手間とコストがかかり、高価になる傾向があります。
巻き厚の目安 | 特徴 | 価格帯の傾向 |
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0.3mm未満 | 薄巻き。テリが少ない。 | 低価格帯 |
0.4〜0.5mm | 花珠クラスのテリ。 | 中〜高価格帯 |
0.6mm以上 | 希少・越物真珠など | 中〜高価格帯 |
0.8mm以上 | 大変希少(大珠の為という事も) | 高価格 |
巻き厚が気になる方へ|選び方のポイント
どうしても巻き厚値が気になる方へ、当店からのおすすめポイントをいくつかお伝えします。
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鑑別書の巻き厚値を確認
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「0.5mm以上」であれば実用性十分
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0.6mm以上なら十分すぎる高品質と考えて良い
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テリとセットで確認
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巻き厚だけでなく、テリがあるかも重要
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劣化対策も考慮
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PS加工、日々の手入れ、湿度管理など
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販売店の方針・実績を確認
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信頼できる販売者は、巻きに関する見解を明記していることが多い
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巻き厚で選ぶ真珠ネックレスのポイントまとめ
- 耐久性重視: 0.5mm以上あれば十分厚巻き
- 見た目重視: テリとのバランスが大切
- 鑑別書の数値: あくまで参考、最終判断は実物
- プロの厳選品: 厚巻+高テリ+加工の丁寧さが揃った商品を選びましょう
Elegant Pearlおすすめ商品はこちら:
美しさと耐久性を両立させた真珠ネックレスをお探しなら、巻き厚+テリ+加工状態の3点をしっかりチェックしましょう。
真珠ネックレス購入Q&A
- 真珠の巻き厚とは何ですか?
- 真珠の巻き厚とは、核の上に巻かれた真珠層の厚みを指します。耐久性や輝き(テリ)にも関わる重要な品質要素です。
- 巻き厚0.4㎜と0.5㎜では見た目が違いますか?
- 大切なのは鑑別書の値ではなく、綺麗に巻けているかどうかです。場合によっては0.4㎜の方がテリがあって綺麗なこともあります。
- 巻き厚はどれくらいが理想ですか?
- 0.4〜0.5mm以上が一つの目安ですが、数値だけでなくテリや形などの全体のバランスを見て選ぶのが理想です。
- 巻き厚0.6mmの真珠は劣化に強いですか?
- 0.6mmは非常に厚巻きで耐久性は高いと考えられますが、大切なのは真珠の加工状態です。巻きが厚くても加工状態が悪ければ早期劣化することはありますので、巻き厚値だけで判断せず、信頼できる店から購入するようにしてください。