
真珠ネックレスの相場について今回は触れていきますが、根本的に相場というものは存在しなく、購入者様自身がご納得されるネックレスこそが相場と言えるでしょう。
目次
冠婚葬祭用の真珠ネックレス、最も売れている価格帯・相場とは?
相場価格と表現するのではなく、まず初めに最も売れ行きが良いと言われている価格帯からチェックしてみます。
この表を見ると分かるように、一般的には5~10万ほどで購入できる真珠ネックレスが一番多いという事になりますが、意外にも多いのが10~20万円程度の高級価格帯です。
これらを合算し総合してみると、5~20万円ほどの真珠ネックレスが一番売れ行きが良く、多くの人が手にしている真珠と言う事になります。
当店でも8-15万くらいの商品の売れ筋がとても良い傾向にございます。
しかし、この情報だけを頼りに真珠ネックレスを選ぶのにはリスクがございます。
真珠ネックレスの市場変化!相場・値段も大幅に低下?
先ほどの表では、どのサイトや販売店でも入手できるごく一般的な情報ですが、実際には真珠ネックレスの市場によって、相場・値段が年々変化します。
特に、品質も国産アコヤ真珠にそっくりな中国産淡水パールが普及したことで、真珠の相場は昔に比べ大幅に変化していますので、アコヤ真珠と淡水真珠は分けて考えた方が無難です。
1~20万で入手できる真珠ネックレス(淡水とアコヤ)
購買価格の相場を理解したところで一番気になっていると思われる、それぞれの価格で購入できる真珠ネックレスの品質について触れていきます。
真珠ネックレスは高ければ高いほどよく、質に上限を設けるのは難しい作業になりますが、先ほども触れたように2種類の真珠に分けて考えます。
①淡水パールネックレス
②アコヤ真珠ネックレス
これら2つのネックレスはいずれも本真珠の仲間ですが、同じようなテリ・輝き・ツヤを持っていたとしても基準価格が異なり相場も違います。
比較的安価な淡水パールネックレスにも高額の物は存在しますが、淡水パールは比較的低価格層向けと言えるでしょう。
真珠の評価・価値観は人それぞれ異なりますが、真珠を販売している私自身の意見をお伝えいたします。
淡水真珠ネックレスの価格・品質(8㎜基準)
★5,000¥以下の淡水真珠
パールに筋が入るような特徴が見られ、形も丸くないものや傷が多めな為カジュアル向けで、冠婚葬祭には適さない。
★7000円~1万未満の淡水パール
形が整っている真珠が多く、冠婚葬祭用で選ぶ方も多いですが、細かい傷がありテリが抑え気味。
★1~2万以内の淡水真珠ネックレス
傷も少なくテリも良いため冠婚葬祭用で選択される方も多いですが、アコヤ真珠と比べると区別しやすい。
★3万円以上の淡水真珠ネックレス。
3~4万円程度なら、低価格帯のアコヤ真珠と比べてもほとんど見分けがつかないテリと品質。
傷は淡水真珠の方が少なく、真珠層が厚いために冠婚葬祭用でも十分使える品質。
アコヤ真珠ネックレスの価格・品質(8㎜基準)
★1万円未満のアコヤ真珠ネックレス
真珠層が非常に薄く、テリもいまいちで内部の核が露出しているものも見受けられ、冠婚葬祭用には使えない。
カジュアル用のバロック真珠がおすすめ。
★1~2万円程度のアコヤ真珠
テリは抑え気味で傷も多いため、品質は気にせずとにかくアコヤ真珠を身に着けたいという方向けですが、冠婚葬祭用の8㎜は一般的には流通しない。
★3~5万円程度のアコヤ真珠
真珠層が低価格品より厚いが、ラウンドシェイプは届かず、仮にラウンドシェイプの場合は真珠層が薄い傾向にある。
アコヤ真珠独特のメタリック感が出始めるため、冠婚葬祭用低価格アコヤ真珠はこのあたりから検討範囲に入れられる。
★5~10万のアコヤ真珠
お店によっては、品質が高い花珠の称号を付帯して販売しているお店も見られる。(GGC花珠など)
傷も少なくアコヤ真珠独特の品質がある為に、3から5万円では少し不安な方が無難な選択肢として選ぶ価格帯。
淡水真珠とは区別できるテリと品質。
★10~20万のアコヤ真珠
花珠の中でも真珠科学研究所が発行する特別称号が付くオーロラ花珠や天女も、この価格帯から入手できるようになります。
傷もほぼなく、3~5万円の淡水真珠とは比較にならない高品質。
遠くから見ただけでも高級の真珠を身に着けていると一目で分かる品質。
★30万以上のアコヤ真珠
花珠に加え、MIKIMOTOやTASAKIなどののブランドアコヤ真珠ネックスが手に入る。
良質真珠のほとんどはブランドが買い付けていますので、そのような品質を求めている方向け。
花珠真珠の相場や品質を知りたい方はこちらの記事も参照できます↓↓
以下に、低価格帯アコヤ真珠と淡水真珠(1~3万円程度)の比較動画をアップしました。
高解像度、全画面にするとより鮮明です。(動画はBGM♫つき)
真珠本当の相場は購入者次第で決まる。
真珠ネックレスには確かに選ばれやすい価格という物が存在します。
しかし、お店側には仕入れ価格という物があり、仕入れから店頭に並ぶまでには実際には多くの経費がかかり、その分上乗せされています。
この経費+ブランド価格も当然含まれていますので、価格を基準として真珠を比べるという事はかなり難しい作業になります。
一見見た目や長さが同じような真珠がネットサイトで販売されていたとしても、真珠ネックレスは1つ1つ違いますし入手経路も異なります。(中間マージンが存在するものなど)
また真珠で有名な三重県伊勢志摩、愛媛県宇和島、長崎県大村湾などに出かけ、現地の直販店で購入したとしても、その直販店がどこまでのマージンを設け販売しているのか不明ですので、逆に高くなることも十分あり得ます。
(地方に出かけたときに見かける果物直販などと同じような感覚です。)
電気製品のようにロットが決まっていれば価格競争が起きますが、真珠では事情が異なります。
ですので、A店では3万円で購入できたのに、B店では同じような品質でも5万円だったという事は、普通に生じますし何も不思議な事ではありません。
購入者自身が真珠に詳しくなり、「この店で購入したい」と思わせるようなお店で買い・「ここならお金を払っても良い」と思った場所で支払った金額こそが、真珠の適正価格(相場)と言えるのです。
相場に加え価格の根拠を探る
価格競争が起こりにくいのがパールネックレスの特徴ですが、それでも販売者側も卸業者も実際には価格調査を行っています。
例えば同じ鑑別書が付いて同じ表記であれば、購入する側としては価格を意識するのは自然な事です。
特に通販サイトではモデルとなっているネックレス一本のみの写真を使用している為、実際の写真でない事がほとんどです。
そうなってきますとなおさら意識するのは価格ではないでしょうか?
通販で鑑定鑑別書付のネックレスを検討される場合価格の安さやお店の評価も重要ですが、
★なぜここまで安いのか(何か事情があるのではないか)
★逆になぜここまで高いのか(質による価格なのか・お店側が設けているブランドマージンなのか)
★価格の根拠はどこにあるのか
この点も重要視する必要があります。
同じ鑑定書で記載内容が同じでも、明らかに1つ1つ品質は異なります。
あまりに安すぎるものや高すぎるものは、慎重になる必要があるかもしれません。
アコヤ真珠にするか淡水パールにするか?
冠婚葬祭用の真珠を購入する場合悩むのが、アコヤパールにするか淡水パールにするかという事ですが、誰もが一度は高額のアコヤパールを手にしてみたいと思うのは共通の悩みです。
初めて購入される方にとって、低価格帯は両者を比較してもどれも同じに見えますから、判断が難しいのですが以下のように考えていただくとより選びやすくなります。
淡水パール=ノーブランド
アコヤ真珠=ブランド品
ブランド物のバッグ・財布などを選ぶのと同じような感覚です。
ブランド品にも比較的低価格なものがありますが、低価格なものにはそれなりの理由があります。
そこで考えられる方向性として、
「せっかくブランド物を買うなら、少しお金をためてよい物を買おう」
という考え方です。
良い真珠ネックレスを検討される場合、アコヤ真珠もそのような感覚で選んでいただくと、よい買い物が出来るかと思います。
ブランド力がないのが淡水パールネックレスですが、低価格でも比較的質の良いパールが手に入るのが特徴です。
以前は高額だったパールネックレスも、今では多くの消費者が低価格で冠婚葬祭用の真珠ネックレスを購入されています。※
※淡水真珠の品質が最近低下傾向にありますので、冠婚葬祭用にはアコヤ真珠をお勧めします。
まとめ
3万円~5万程度の真珠ネックレスでは、アコヤ真珠も淡水真珠も似たような品質が手に入り、冠婚葬祭用に選ぶ方もおられます。
ただお店によって品質が多少異なるため、鑑定書がつかない場合は安全圏である5~10円程度のアコヤ真珠ネックレスを選ぶ方が多い傾向にあります。
真珠の価格には上限がありませんので、一度低価格の真珠ネックレスを手にした方は魅力のあるブランドバッグのような感覚で、10万円以上の物を選択される方も多い傾向にあります。
ご自身の必要・お財布事情に合わせて、適切なパールネックレスをお選び下さい。