真珠ネックレスを購入される際に、鑑別書のまき厚値を気にされる方は一定数いらっしゃいます。
今回は、真珠のまき厚に関して当店の見解を書いていきます。
真珠のまき厚値は平均値なのか?
ネットで色々調べていると、真珠の巻き厚値表記というのは平均値であるという見解が一般的です。
もちろん鑑別書に0.6㎜と記載されていても、すべての珠が0.6㎜で統一されているというのはまずない事と思いますので、平均値を記載しているという見解は正しいと思われます。
その他の意見としましては、
・数珠のみを抽出して平均値を出している。
・すべての珠の巻厚値を計測している。
・すべての珠を計測するなど時間的にみて不可能。
など、ネット上には意見が分かれる評価となっていましたので、真実は鑑別機関にしかわからないオブラートに包まれた状態となっています。
どの意見も理にかなった見解で良いと思います。
真相がハッキリしていないものに関しては、総合的に判断するしかありません。
確定要素!真珠のまきが厚いほど奇麗は間違い。
まずハッキリとしている点の一つは、
真珠の巻が厚いほど綺麗というのは間違いである事です。
この間違いが広まっている原因としては、薄巻真珠はテリが無いという知識によるものからだと思います。
もちろん非常に薄い真珠であれば、真珠核が見えてしまってテリが無い(綺麗でない)という見解は正しいです。
ただ花珠などの真珠になってきますと、ある程度巻いているのでまき厚値の違いで見た目にすごく影響する事は無いという事です。
巻いていると場合によってはテリが無くなるのはなぜ?と思われる方もおられるかもしれませんが、この点に関しては検索すれば出てきますのでここでは書きません。
当店の見解
ここからは、真珠のまき厚に関する当店の見解を書いていきます。
しばらく書く事をためらっていましたが、思い切って書いていきます。
当店では、真珠のまき厚値は比較的重視している方です。
もちろん巻値が平均値であったり、すべての珠を計測しているわけではないかもという知識や情報も含めてです。
この点は少し迷った時期もありました。
鑑別書を普段から持ち歩くのではないから、まきが0.4㎜でも気にする必要は一切ないと。
もちろん正当な意見です。
でも、もし自分が鑑定書付きネックレスを買うのだとしたらどう考えるか?
「鑑定書も商品の一部と考えます」
ですので、まき値が綺麗さの度合いに直接影響していないとしても、比較的値が出ている商品を選びます。
もちろん値が出ている+テリがある商品です。
ただ、花珠や天女が減少している今、選択肢が少なくなっているので、当店では0.4mmであっても扱っています。
巻値を指定して選ぶ行為はご遠慮ください。
ただそうなってくると、巻厚値を指定するようなお客様もおられます。
0.7㎜とか、0.8㎜とか。
それはさすがに難しいので過度に行き過ぎた選別はご遠慮いただければと思います。
0.4㎜台を避ける行為は私も理解できますが、0.6㎜なども避けるような選別は全く持って無意味です。
せめて四捨五入して1㎜になるようなネックレスを検討範囲に入れていただければと思います。
鑑定書も商品の一部なので十分お気持ちはわかりますが、そこは理解していただきたく思います。
巻値が出ていると劣化に強いのは本当?
まき値が出ているネックレスを選ぶ理由の一つに、劣化に強いからなるべく値が出ているネックレスを選びたいと思うのも理解できます。
ただ多くの場合、現行のオーロラ花珠やオーロラ天女は、まき値が出ているから劣化に強いとは言えません。
一部の珠が巻いていて一部の珠の巻があまいため、また加工の状態により部分的に劣化する可能性は十分考えられます。
まき値が出ていても劣化する可能性も含めて選別していくわけですが、これに関しては時間が経つと劣化の兆候が見られますので、扱っているネックレスの傾向を見ていけばある程度の判断は可能です。
もちろんパールの質・加工状態などにより劣化状況は左右されますが、簡単に言うならば同じ場所で仕入れても
・劣化するものは劣化するし、劣化しない物はしない。
というのが事実です。
かなり個体差があるのが現状です。
ですので、全く新しい今年あがってきたばかりのホヤホヤパールネックレスというのは、実は結構ギャンブル要素が高いのが事実です。
なので当店ではギャンブル要素が高い場合は、新品だけれども少し寝かしたネックレスを扱っていることがほとんどです。
その様にして傾向を見て長持ちしそうな個体を選別しております。
この方法で選別していくと、大体のパールが鑑定書で0.5㎜以上巻いている場合が多く、ある程度巻き値というのは関係しているのでは?とも思わせる結果です。
この情報は参考程度にして下さい。
トップエレガントは劣化しない?
宣伝ではありませんが少しだけ書かせてください。
当店が扱っている商品の中に、トップ品質(エレガント)シリーズというのがございます。
非常に巻いているパールで、その中でも特別良いパールです。
パールの選別・養殖環境・加工状態など、どれをとってもブランドクラスというハイクオリティーパールシリーズです。
このシリーズは鑑別書が付くものと付かないものがありお値段も様々ですが、とにかく経年劣化には強いです。
まき厚とかはもう関係ないというレベルの品ですので、高い物には高いなりの理由があると解釈していただいて結構です。
私がお伝えしたいのは、パールはまき値や値段がすべてではないという事です。
もちろんトップ品質シリーズであったとしても、お手入れをする事は重要ですのでお間違いの無いようにしてください。
今回の情報が、真珠選びの参考になればうれしく思います。