PS加工証明書

PS加工とは、真珠やサンゴの耐酸性強度を高めることを目的として開発された特許技術です。今回はPS加工についてと、多くの人が疑問に感じているデメリットはないのかについて記事にしていきます。

PS加工とは?

PS加工とは、平成10年12月25日に公的機関により特許技術として認められた安心の技術です。これは、専用の液体に一定時間パールを漬けることで炭酸カルシウムからフッ素カルシウムへと真珠の成分自体を変化させる技術の事を指します。

よく歯などでフッ素コートなどと聞くことがあるかもしれませんが、PS加工では比べ物にならないくらい強い効果が得られるのが特徴です。

私はお店においてPS加工を導入していますが科学者ではないので詳しいことまではわかりません。

ただ、歯などに施す表面加工とは異なり、真珠自体をフッ素カルシウムに変えているというのはPS加工の注目すべき点かと思います。PS溶液

PS加工は特殊なPS溶液を用いて加工する。

PS加工のデメリットはあるか?

PS加工のデメリットについて触れている方が少ないとの事なので、PS加工を推奨している当店から申し上げます。

返品や再加工できない

PS加工は真珠の成分を変化させる特許技術なので、一度加工したものを元に戻したり、再度行うことはできません。適切な時間液体に浸すことで得られる効果ですので、例えば過去に一回PS加工をしたことがあるパールを再度加工する(再度液体に浸す)と、どうなるかわかりません(笑)

なので、お店側の対応としては完全オーダーメイド製品となります。

PS加工を施した商品が手元に到着し、イメージと違うなどと言った理由で返品はできなくなるため注意が必要です。

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PS加工する場所によって技術にムラがある可能性(解決策あり)

調べていただければわかりますが、PS加工は様々なお店で実施しています。

これは開発元である有限会社白楽さんが、PS加工関連の機器を販売店などに卸しているためです。

PS加工は日本の様々な場所で実施することが出来るので、自宅から近い場所を選べば比較的短い納期で実施可能です。しかし場合によってはテリが以前よりも少なくなったといった意見が寄せられることがあり、加工する場所によって技術のムラが生じているようです。

ちなみにテリが少なくなる原因は明らかなので、有限会社白楽さんからの指導通りにPS加工をすればトラブルが発生することは通常ありません。

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PS加工は比較的新しい技術

PS加工は平成10年に特許を取得した比較的新しい技術です。もちろんフッ素に関しては医療分野で50年以上も前に確立されていた技術ではありますが、真珠やサンゴに応用されてから100年!!のような歴史はないわけです。

当然ある程度長い期間の実験を通して確立されている技術ではあるとはいえ、30年や40年後に真珠が実際にどうなっているのかのエビデンスはまだ比較的少数と言えるでしょう。ネットやSNSなどで、「30年前にPS加工しました!まだ綺麗です!」などという実施者の声が増えてくれば、第三者の意見が加わって真の意味でこの技術が優秀であることが証明されたことになります。

こういった理由で新しい技術に比較的敏感な方は、やめておいた方が良いという結論に達することがあるかもしれません。

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真珠の需要が少なくなる

PS加工をすれば通常劣化していくようなパールも強くなり、通常よりも長い期間使用できるようになります。

長く使用できるというとは、買い替えの必要性がなくなるという事。

これは、お店側とすれば非常にデメリットとなり、真珠を買う人が少なくなってくるかもしれません。販売している側としては大問題です。

結局デメリットを言う人が少ないのはなぜ?

リスクがゼロなんてことは通常はありえないと思いますが、ネット上でデメリットについて触れない人が多いのは事実です。

もちろん他サイトでも触れられているように、PS加工を導入していない業者が批判しすぎるのは良くないとは思います。ただ導入している業者がメリットしか触れないのも消費者側としては確かに違和感を感じます。深い闇があるのかも?と思うのも納得できます。

でも正直な感想として、

「デメリットとして記事に取り上げるほどのリスク・デメリットではない」

というのが私個人の感想です。

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デメリットについて心配されている方が一定数いるので今回記事にしましたが、実際には記事にするほどの事ではないと思います。

もし消費者には言えないような問題があるとすれば当店では扱いませんし、今のところそう言ったデメリットについて聞いていないのでPS加工を導入しています。

PS加工とマイクロパーマネントどっちがいい?

PS加工関連の情報を探している人にとって、マイクロパーマネントとどっちにするか悩むのが定番の疑問です。

一部の業者はPS加工を推奨し、一部の業者はマイクロパーマネント推しかもしれません。

結論から言うと、どちらも大して変わりがないというのが当店の見解です。真珠自体が強くなるのだから変色やひび割れにも効果があると思います。

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当店でもマイクロパーマネントを依頼していた時期があり、その後PS加工を導入して現在に至っていますが、PS加工にした主な原因は仕上がりの問題ではなく時間とコストの問題です。

機器を導入すれば自分ででき、納期が1日から2日で対応可能です。

話は単純な事。

買いたいと思っていたものが本来1-2日納期で手元に到着するのに、オプションが原因で2週間延期となれば買う気がなくなりますよね?

ですから、当店では単純に納期の問題(少しでも早く手元にお届けするため)でPS加工を選んでいます。

PS加工もマイクロパーマネントも、劣化の進行を遅らせるうえでは非常に優秀な技術です。

好みに合わせて選んでいただければと思います。

まとめ

PS加工は、真珠においては炭酸カルシウムからフッ素カルシウムへとイオン交換する事で耐酸性を上げる比較的新しい特許技術であり、今のところ重大なデメリットとなるような事例は報告されていません。消費者が正しく認識し、パールを適切に扱うことで劣化を防ぎ長く使うことが可能になります。