真珠のグレードとランクには様々なものがございますが、今回は色別のランクと、真珠科学研究所が発行しているオーロラ天女のグレードとランクについて触れていきます。
真珠の色によって本当にランクが異なるのか?
まず結論から言います。色によってランクが変わるという事は基本ないです。もしランクづけされているとすれば、
1、お店として売りたい傾向がある。
2、今現在需要があるという意味での付加価値。
おもにこの影響が関係していきます。(ナチュラルブルーを除く)
真珠の価値に関して詳しくは以下もご覧ください↓
無調色真珠のランクは本当に高い?
アコヤ真珠で今異常なほど付加価値が付いているのが無調色真珠です。色が白く、透明感にあふれる色合いである事から人気が高まっています。
実際には無調色でも調色でも、価値や値段に変わりはありませんが、無調色を求める人が急増しているために品数が少なくなり、結果値段が上昇しています。
小耳にはさんだ情報によれば以前無調色は人気がなく、無調色だけ売れ残ってしまい大変だったそうです。
それを何とかするために無調色の宣伝を始めたとか・・・
それが今度は無調色に火が付き、調色のパールが売れ残っているという状況です。
クリーム色のパールは高級?
この前の見出し「無調色真珠のランクは本当に高い?」を読めば正しい判断が出来るかと思います。
クリーム色の真珠ランクはどこに位置付けているのか?答えは「どこにも位置付けていない」です。
真珠のランクを決めるのは色ではなく、真珠のテリや巻き(真珠そのものの品質)です。ちなみにクリーム色の真珠と言うのは、あまり人気ではありませんが、好きな人は好んで買います。
もしクリーム色が人気が無いからと言って格下扱いするのは、真珠に失礼だと思います。
アコヤナチュラルブルーは色により値段が変わる
アコヤ真珠のナチュラルブルー系のみ、少し例外かなと思います。ナチュラルブルーカラーは色が濃いほど値段が高くなる傾向にありますので、例えばオーロラ真多麻とかオーロラブルーロゼ鑑別が付くパールは、色が濃ければ濃いほど値段が高くなります。
安いナチュラルブルーというのは、基本的に色が薄めです。
黒真珠の色ランク(黒蝶真珠)
黒真珠の代表と言えば、黒蝶真珠です。アコヤ真珠の黒色は全て染なのでここでは書きません。
黒真珠(黒蝶真珠)に関しても基本的に色によるランクは存在せず、真珠そのものの品質がランクに影響してきます。
黒真珠(黒蝶真珠)の色味は主に2つに分かれており
・ブラック系
・ピーコックグリーン系
ですが、見て綺麗だなと感じるのはピーコックグリーン系なので、この色味が人気があり付加価値がつく場合があります。
基本的には無調色パールの考え方と同じです。
南洋白蝶真珠の色別ランクは存在するか?
もうお分かりの通り、白蝶真珠であってもランクを左右するのはテリや巻き、傷の有無です。
ちなみに白蝶真珠で人気なのは透明感あるシルバー系の色味となりますが、この色味が出ているからと言って値段が高くなるという事は基本ありません。
でも人気であるゆえに求めている人が多く、付加価値がつく場合があります。
白蝶真珠にも金色のゴールデンパールと呼ばれる真珠がありますが、白い白蝶真珠の方が人気があるので値段が違ってくることがあります。(基本ゴールドの方が安かったりします)
何度も言いますが、真珠のランクを分けるのはテリや巻き、傷の有無などの品質です。
花珠真珠の最高峰はオーロラ天女?
ここからはアコヤ花珠真珠のオーロラ天女のランクに絞って記事を書いていきます。
以下の記事でも最高品質に関して扱っています↓
オーロラ天女のランクは本当にトップ?
オーロラ天女と聞くと真珠界の中でもトップ品質のランクに属していると考えるのが一般的です。もしかすると三角形の図などでオーロラ天女は三角形の頂点に位置していると思われている方も沢山いる事でしょう。
もちろんそのように考えても大方問題はありませんが、大量の真珠ネックレスを見てきた当店の考え方は少し異なります。
詳しくは以下の記事でも解説しておりますが、
オーロラ天女というのはオーロラ花珠の一部であって、テリに特化した真珠鑑別書であるという事です。
真珠のランクを決めるのは必ずしもテリだけではない
真珠のランクや品質はテリに依存する場合が多いですが、必ずしもテリが値段を引き上げる原因にはなりません。例えばテリは天女の基準に届かなくても、その他の項目で優れているためにオーロラ花珠の方が評価額(ランク)が上がるという事は沢山ございます。
具体例:テリはオーロラ天女の基準にわずかながら届かなかったけれど、パール全体で傷がほぼない為に、テリが良くて小傷がある天女真珠ネックレスよりも評価額が高くなった。
という事例です。
正直な所このようなネックレスは販売店側からすると売りにくいのが事実ですが、価値が分かる方には買っていただける非常に高品質な真珠ネックレスです。
この場合もうお分かりいただけると思いますが、オーロラ天女とオーロラ花珠のランクは逆転します。
必ずしも三角形の頂点に君臨しているのがオーロラ天女ではないというのが当店の考え方です。
当店では、オーロラ天女とオーロラ花珠は同ランク上に存在し、その中でも細かく分類されるという認識をしています。また最高級クラスに必ずしもオーロラ天女鑑別が付くとは限らず、真珠屋が通常入手できない最高級ランクも存在しているという考え方をしています。
天女真珠にグレードはあるか?
もし天女にグレードが存在しないとすれば、真珠ネックレスにとりあえず天女鑑別がついていれば全て同じ品質という事になります。
例えるならば、東大合格の人はみんな同じ成績だということです。でもそんな事はありえません。ある分野に特化した人や、ギリギリ合格できた人、総合的にかなり優れている人など様々です。
であるならば、天女に合格した真珠も様々なグレードが実際には存在すると考えるのは自然な事です。電気製品のように工場で全く同じ製品を製造しているような商品ではないので、真珠の場合天女は様々なグレードが出来上がってきます。
天女真珠の最高グレードとは?
様々なグレードがあると分かれば、天女真珠の最高グレードとはどんな品質なのか気になるかもしれません。簡単に表現すればミキモト社が持っているトップクラスのような真珠となります。
そして、天女のグレードに上限はないというのが正確な回答になります。
天女真珠のグレードの分け方
グレードに上限はないと言われてもイメージしにくいと思うのでより具体的に書きます。
天女真珠のグレードにはテリや形や傷が値段に直結してきます。
天女真珠のテリ
天女真珠のテリは既に十分すぎるくらいの基準に達していますが、お値段を出せば更にテリがある天女真珠が手に入ります。天女真珠の中でもテリの違いは明らかに存在し、それがお値段を分ける原因となっています。
天女真珠の傷
天女基準に合格してくるパールには、わずかながら微量の傷が含まれています。しかし値段が上がるごとに、この傷が少なくなっていき、上位クラスとなるとプチ傷もほぼ見当たらない完璧なパールネックレスとなります。
天女真珠の形
主に天女ネックレスに関してですが、テリ感や傷感が同じでも価格が安い場合、形状が若干ラウンドでないことがあります。真珠科学研究所の基準ではラウンドと認識していますが、わずかながら楕円形になっており、これは生産元からすれば評価額が下がる原因となります。
加工状態
同じ天女鑑別が付いていても、どこが仕入れて加工したかでパールの品質は異なります。もちろん販売店が仕入れ元を公開する事は通常ありませんが、数多くの天女を見てきた当店の考え方としては、同じ天女鑑別が付いていてもどこから仕入れるかで珠品質は全く違う天女となります。
天女ピアスや天女リングでもネックレスと基準は同じ?
オーロラ天女の合格基準というのは、実はネックレスとピアス、リング珠などで基準が異なっています。オーロラ天女鑑別の考え方は、総合評価となります。
つまりネックレスならばネックレス全体(約50珠)を繋ぎ合わせた時に総合的に美しいかどうかが評価され、ピアスなら2珠の総合評価。リングならば1珠勝負となるので、リング用の天女珠に傷がある事は許されません。
一連の天女ネックレスから5珠だけ珠を取って5珠スルーネックレスに仕上げても、オーロラ天女のとして再度合格するかどうかはわかりません。
天女を値段だけで判断するのはNG
この記事をお読みいただいた方は、オーロラ天女には様々なランクとグレードがある事がもうお分かりいただけたと思います。
つまり、オーロラ天女を値段だけで判断するのはNGという事です。
初心者であれば低価格品にオーロラ天女鑑別が付いていれば、「このお店は良心的」と思うのが通常の事です。でも天女のグレードには上限が無いわけですから、どのグレードなのかをしっかり調べる事です。
特にオーロラ天女となってくると一生物として選ばれる方が多いので、グレードやランクが明確になっているお店を選択される事をおすすめします。
天女に関しては以下の記事も参照できます↓↓