真珠の正しい見分け方を知っていれば、価値を見定める事ができ、正しく選ぶことが出来るようになります。ではどのような真珠が高評価され、高取引されるのか?簡単に言ってしまえば、1、テリ 2、巻き 3、キズ この3つが評価対象になりますが、今回はもう少し詳しく分析していきましょう。
真珠の評価基準
真珠の評価基準となっているのは、品質と希少性になります。真珠に限らず、例えば有名人のAさんがオーダーメイドした服やアクセサリーというのは数が少なく、その有名人自体に価値があるという事で高い品質があります。こういったものは自然と高値で取引されるという事をまず覚えておく必要があります。
真珠評価基準の種類
真珠を評価していくにあたりポイントとなるのが、
1、真珠自体に価値があるかどうか?
2、真珠を加工した後での価値がどうか?
この2つを区別する必要があります。なぜならば、せっかく真珠本来に価値があったとしても、ネックレス等加工する段階で粗末に扱われるならば、全体の価値が下がってしまうからです。
真珠自体に価値があるかどうかを見分ける種類には、
①テリ②キズ③巻き の基本項目に加えて、
④色⑤大きさ⑥形 が評価の対象となるでしょう。
テリ・傷・巻きに関しては後述してきますが、色に関しては、人気の色・希少価値が高い色というものは高値で取引される傾向にあります。例えばアコヤ真珠のナチュラルブルー系や、白蝶ナチュラルゴールドパールですと、色が濃いほど高くなりますので、希少価値があるとされています。
真珠を加工した後での評価項目としては、
①加工 ②ネックレスの連結
この過程において真珠の価値が変わって来ます。真珠を連結してネックレスを製造する際には、真珠自体に穴をあける作業を行う必要があります。この過程において、真珠を傷つけてしまう恐れがあります。このような傷があるものは、せっかく真珠自体に価値があっても、ネックレスとして仕上がった際に評価を下げる事になります。
また、ネックレスを連結する作業ですが、状態の良い真珠と状態の悪い真珠を連結した場合、総合的に評価が下がります。
形がいびつだったり、粒がそろっていないこと、干渉色の不揃い等が原因で価値を下げてしまうのです。
では、もう少し具体的にそれぞれの評価基準を見ていきましょう。
テリ
ここでいうテリとは、真珠の輝きの事を指しています。パッと見て素人でもキレイと思う真珠は、このテリが優れており、高取引されます。
私自身真珠ネックレスの仕入れを行っていますが、安い物から順に見ていくと明らかに高級なものはテリが違います。これは素人であったとしても誰もが気づく点だと思いますので難しくありません。
ネット上の写真では撮影条件がそれぞれ異なるので区別がつきにくいのですが、同一店舗で比べていくなら違いは確実に出て来ます。もちろん使用している真珠ネックレスの画像がサンプルの場合もございますので、その場合には比較は不可能です。
実際に購入する際はどこで見切りをつけるのかが難しいですが、まずは高級な真珠をしっかりと見て、店舗であれば実際に試着し、予算内で購入できる一番テリがあるものを選択すると良いでしょう。
巻き
真珠の巻きというのが一番難しい分野になりますが、巻とは簡単に言うならば真珠層がどれだけ深いか・厚いかを指しています。
特に核を挿入するアコヤ真珠や海パールを購入する際にはこの巻きを評価基準に加える必要があるのですが、この巻きの状態をチェックするのが意外にも難しいのが現状です。
例えばコスト削減の為に、巻きは少なく傷がないという真珠が見られます。1つ1つを見ると傷が少ないので高級そうに見えますが、真珠層が薄く、数年後には変色・劣化してしまうという物も見られます。
比較的高級とされている花珠真珠にも薄巻はございます。花珠は傷が重視されやすいので、安易に安い花珠に手を出すと低品質の可能性がございます。
これらを避けるためには、コンセプトが明確でないお店は避ける必要があるかもしれません。すべてを否定することは出来ませんが、例えば価格を全面的に出して販売しているようなネットショップは、リスクがあると考えてもいいでしょう。
キズ
真珠1つ1つに傷があるかどうか・・・これは値段を大きく分ける要素となります。ネックレスになりますと全く傷のない真珠を探すのはかなり骨の折れる作業となります。
同じ鑑定書付きのオーロラ花珠やオーロラ天女であったとしても、傷の具合は様々です。
安いところのオーロラ花珠や天女は、傷は微量に含まれているので、低価格の花珠で傷のない物を探すことは不可能です。
ですから、傷を重要項目としているならば、かなり選別には時間がかかることになります。
特定の店舗に狙いを定めて、価格の根拠を探っていく作業が必要となります。
ですので真珠の適性判断をする際に、傷があるかないかも評価項目にいれるべきですが、これを第一にする必要はあまり感じないと思っています。
実際のところネックレスをじっくりと見つめる人はそこまで沢山いませんので、傷よりもテリを重視した方が後で後悔せずに済みます。
参考記事↓
希少性がある色・形
希少性が上がると、値段も上昇します。
真珠の色
先ほども少し触れましたが、真珠の色で言えば調色が薄いホワイト系の色は非常に人気があるために、無調色などは価格が高めに設定される事があります。
しかし、どの色を選ぶかに関して一番重要なのは選ぶ人の好み次第であり、実際に付けてみてどの色が自分に合っているのかが重要な要素となります。
自分では素敵だと思っていても、実際に合わせてみるとイメージと違ったりすることもあるでしょう。
白が良いと思っていても、着用すれば以外にもピンクが似合う事もあります。
参考記事↓↓
魅惑のピンクパールネックレス:天然or調色?値段からお手入れ方法まで徹底解説!
なを黒蝶真珠などは、合う人と不向きな人がはっきりと出やすいパールですので、ゆっくりと時間をかけて最適な色を選ぶことをお勧めします。
真珠のサイズ・形
真珠のサイズに関しても様々で、大粒のものから小粒のものがあります。当然大粒のものは養殖が難しい事から、価格が高めになります。
基本的には8mm以上が大珠と呼ばれていますが、その場合値段価値も上がるために、8mmで10万円で手に入るものも、9mmで同じ価格帯のものを見てしまえば、傷や形にばらつきがあるのを確認できるでしょう。
基本的に、小さいサイズのものやロングネックレスはカジュアル向けで、形が大きく変形しているものや、バロックと呼ばれているのものを、悲しみの席に着用することはふさわしくないとされています。
真珠を見分けるコツ・選び方
真珠の評価基準を概観したところで、次は実際に真珠を見分けるコツについて取り上げていきます。見分け方と言っても、2種類あります。
1、本物と偽物の違い。
2、本物の中での価格の違い。(これに関しては前述しました。)
具体的に、1の本物と偽物の違いを見極める方法を取り上げます。
偽物の種類
偽物と本物を見極めるのは慣れている人からすれば簡単な事ですが、あまり詳しくない人にとっては難しい作業となります。
偽物1・プラスチックパール
これは、プラスチックの核(円形)にパールエッセンスを吹き付けて作成する偽物のイミテーションパールです。本物に比べて軽いために、特徴を見分けることが出来ます。確認の際は、しっかりと本物と比較するようにしましょう。
偽物は基本的に傷がなく真円ですので、各珠のテリ感が異常に揃っていたり、光の反射具合がすべての珠で均一である場合は怪しく感じた方が良いです。
フリマサイトなどでは沢山の中古ネックレスが出品されているので、こういった市場で目を訓練するのも面白いと思います。
もちろん偽物や本物が混ざっているので、注意が必要です。
偽物2・貝パール
本物の真珠にも核と呼ばれるものを挿入して円形をいわば人工的に作り出しているのですが、この貝パールの場合は、この本物の核にパールエッセンスを吹き付けて製造するいわば偽の真珠です。
重さも本物のものと変わりない為に、見分けを付けるのが難しい事もあります。
初心者にも出来る真珠の見分け方
これらを理解したところで、実際に見分ける方法を解説していきます。
本物の真珠は粉っぽい
数多くの真珠を手にしていると気づくのですが、手にざらざら感が残り、手を洗いたくなります。この感覚は偽物のイミテーションパールには無いので、要チェックです。
真珠同士をこすり合わせると分かる。
真珠同士をこすり合わせるのは少し勇気が要りますが、普通に行われる作業です。真珠を互いにこすると、真珠自体に少し傷が付きます。これが真珠層が少し削れている事の証拠であるとともに、本物の真珠である事を証明しています。傷ついた真珠は、手や布でそっとふき取るとすぐに消えますので、ご安心ください。
この点について検証したこちらの動画もご覧ください。
高級真珠でも、1粒1粒形が違う。
アコヤ真珠であっても淡水パ―ルであっても、1粒1粒形や大きさは微妙に異なります。ある程度の額を超えてくるとかなり粒が揃っているので見分けるのが難しいですが、高級なものでも1粒1粒違いはあります。もし分からない場合は、高い真珠をしっかりと見つめてみましょう。
高い物ほど、感動しますので、その後偽物を見ればすぐにわかります。
キズがなさすぎる。
先程も触れましたが、傷があまりにも少なく1粒1粒同じ模様であるものは、偽物の可能性が高いでしょう。いずれにしろ、項目3と同じく、高い真珠を一度見てしまえば、初心者でも容易に区別が出来るようになります。
たとえそれが手に取れず画像のみであったとしても、違いを見分けるのは容易に可能です。
真珠をどこで買うか?
今回、真珠の見分け方について取り上げてきましたが、これで大体選ぶコツを習得出来たはずです。最後に、真珠をどこで買うか?という点について扱っていきましょう。
デパートに行く。
デパートで購入するのは一番安全な方法です。なぜならば、現実を自分の目で確かめる事が出来ます。デパートで真珠を見るときは、遠慮せずに高いパールを実際に時間をかけて観察しましょう。そして、安い物と見比べてみて下さい。初心者の頃は、見れば見るほど混乱してくるかもしれませんが、混乱した場合は、ワンランク上の真珠をもう一度見てください。
そうすると、はっきりと違いが見えて来て、時間と共に目と自分の感覚で価値ある真珠を選べるようになります。
デメリット
デパートで買う際のデメリットは、価格が適正に設定されているかどうかが不明な所です。基本的に百貨店やデパートでは商品の値段が高いイメージを受ける事がほとんどですが、必ずしも安い物を高く売っているのではない事を覚えておきたいものです。
デパートや百貨店の評判もありますので、仕入れ値が高くて良いものを意図的に扱うようにしているという事は十分あります。
この点を踏まえた上で、デパートに足を運んで下さい。
通販で買う。
通販で真珠を購入するというのも一つの方法で、デパートなどよりも安い価格帯を目にすることがほとんどです。しかしどのような通販を利用するのかをしっかりと理解する事が重要です。
当ページでも取り上げましたが、安さを前面に出しているような通販ショップでは、真珠の傷は少なくても薄巻きの可能性があるため注意しましょう。
いずれにしろ、現物を確認できないというのはリスクが伴います。
私ならこうします。
これまで長々と、本物と偽物を区別するコツや見分け方などを形式的にお伝えしてきました。
このような内容だけではコンテンツとしての価値がないと思いますので、普段から真珠を扱っている私ならどう見極めるか?という点をお伝えします。
パール初心者にとって、上記の情報は知識として学ぶ必要はありますが、実際に上記の知識を店舗で見ながら生かせるかというと答えはNOだと思います。
私ならもちろんパールは当然見ますが、手に取れない通販である場合、まずお店を見極めます。お店がどのようなコンセプトであるかが非常に重要だと思います。
これは、見分けが出来ない方が実店舗で見分ける際も同じ事です。
特に、メリットだけでなくしっかりとデメリットを語っているかどうかは重要です。
真珠は基本的に劣化するものです。その点を認めて、長く使うために巻いているパールを薦めているようなお店は比較的信頼できると思います。
花珠だけを最高峰として勧めるようなお店は避けた方が良いかもしれません。恐らく営業トークなのだと思いますが、中には本当にそうだと思っている方も一定数いるはずです。
そして、設定されている価格にも注目します。
希望するパールサイズをまずインターネット上で徹底的に調べますと少なからず相場というのが出てきます。
松竹梅の価格帯を大体頭に入れると良いでしょう。
同じパールサイズでも高い物と安い物があるわけですが、ランク付けが明確でわかりやすい店は選びやすいと思います。
異常に高い額でしか販売されていない場合には、価格の根拠が不確かです。
もう一度繰り返しますが、値段の根拠は重要です。
・通常よりも価格設定が高いのであればテリが特別であるかどうか。
・テリが特別でないのなら傷が特別少ないのかどうか。
・それ以外であれば、高い根拠が明確になっているか。
この項目は重要ですので、価格に応じて他のパールより特化している部分があるのかどうかを探ってみて下さい。
通販の場合は最低限実際の写真を確認しておく必要がありますので、松竹梅設定されていても画像がサンプルのみだったり加工されているような画像であればやめた方が良いでしょう。
最後に、どこででも入手できるようなネックレスであれば、そこで買う意味がないと思います。
色々選別してきた中で、良いパールは思い入れがあるわけですから、その思いがしっかりしているかどうかが重要です。
なぜそのお店で買わなくてはいけないのかを探ってください。
結論として、お店がしっかりとしていればパールの品質は自動的に付帯してくるという事を意味しています。
パールの見分け方が上手くできない場合、お店の見極めから始めるようにしてみて下さい。
その為には、通販であればブログ記事や商品ページを読み込むことが必要になってきます。
まとめ
真珠を見極めるには、高い真珠をまずじっくり観察する必要があります。高い物を見れば見るほど、偽物や価値が低い真珠を見極めるのは容易になるでしょう。
そこでまずは購入を決める前に、出来るのであれば一度最寄りのデパートへ足を運び、遠慮せずに高い真珠を実際に手に取って低価格帯ものと見比べてみるようにしましょう。
わからないうちは見分けるのが難しいですが、どうしてもわからない場合はお店のコンセプトがしっかりとしているかどうかから探ってみるようにしてください。