「真珠の鑑別書を見ても、どこを確認すればいいのか分からない」
「花珠と書いてあれば、どれも同じ品質なの?」
真珠ネックレスを選んでいると、このような疑問を持つ方は少なくありません。
真珠の鑑別書には、真珠の種類・サイズ・巻き厚・テリ・キズ・形・加工処理・特別呼称など、購入時に役立つ情報が記載されています。
ただし、大切なのは「花珠」と書いてあるかだけで判断しないことです。
この記事では、実際の4種類の鑑別書を使って見方を解説します。
- 真珠科学研究所「オーロラ花珠」
- 真珠科学研究所「オーロラ天女」
- 真珠総合研究所「花珠」
- 真珠総合研究所「準花珠」
鑑別書を初めて見る方でも、自分で確認できるよう順番に見ていきましょう。
真珠の「鑑別書」と「鑑定書」は何が違う?
最初に分かりにくいのが、「鑑別書」と「鑑定書」という言葉です。
真珠専門の鑑別機関では、真珠の種類や加工処理などを確認する書類のほか、品質評価を加えた書類も発行されています。
例えば、真珠科学研究所では品質評価を伴うものを「真珠鑑別鑑定書」、真珠総合研究所では「真珠鑑定鑑別書」という名称で発行しています。
ポイント
「鑑別書」「鑑定書」という名称だけで判断するのではなく、その書類にどのような品質評価が記載されているかを見ることが大切です。
真珠鑑別書の見方|まず確認したい5つのポイント
鑑別書には多くの項目がありますが、真珠ネックレスを購入する方が最初に確認したいのは、主に次の5つです。
1.どこの鑑別機関が発行したものか
まず、鑑別書の発行元を確認します。
今回紹介するのは、
- 真珠科学研究所
- 真珠総合研究所
の2機関です。
同じ「花珠」という言葉でも、鑑別機関によって評価方法や呼称が異なるため、最初に発行元を確認しておくと理解しやすくなります。
2.花珠・オーロラ天女などの呼称
次に、鑑別書に記載された特別呼称・品質呼称を確認します。
- オーロラ花珠
- オーロラ天女
- 花珠
- 準花珠
などが今回紹介する代表例です。
ただし、呼称だけを見るのではなく、テリ・巻き・キズ・形などの内容まで一緒に見ることが大切です。
3.テリ・巻き・キズ・形
真珠の美しさを判断するときに重要な品質項目です。
特にテリは、真珠を見たときの美しさや存在感に大きく影響します。
巻きは、真珠層の厚さや質に関係する重要な項目です。
キズや形も品質評価には関係しますが、キズが少ないことと、見た瞬間に美しいことは必ずしも同じではありません。
この違いは、後ほど紹介する「総研花珠」と「総研準花珠」を比較すると分かりやすくなります。
4.真珠層の巻き厚
鑑別書によっては、
0.5mm
0.6mm
など、真珠層の巻き厚が数値で記載されています。
「花珠」という名称だけでなく、巻き厚の実測値が記載されている場合は、ぜひ確認しておきたい項目です。
5.無調色などの加工処理
無調色真珠を探している場合は、加工処理についての記載も確認します。
商品名に「無調色」と書いてあるだけでなく、鑑別書上でどのように記載されているかを見ると、より分かりやすいでしょう。
実物で比較|4種類の花珠鑑別書
ここからは、Elegant Pearlで実際に扱う真珠の鑑別書を見ながら説明します。
4種類の違いを簡単に整理すると
オーロラ花珠
真珠科学研究所の花珠系鑑別
オーロラ天女
オーロラ花珠の中でも、特にテリを重視した呼称
真珠総合研究所 花珠
品質評価5項目がすべてⅠ
真珠総合研究所 準花珠
テリ・巻きなどは花珠水準でも、形やキズなど一部がⅡになる場合がある
真珠科学研究所「オーロラ花珠」の鑑別書の見方

鑑別番号:オーロラ花珠はSSから始まる番号
品名:連の場合はネックレス、その他ペアやルースと記載されている場合もある。
サイズ:真珠のサイズが記載されている。
鑑別所書の種類:特別呼称はここに記載されている。
テリのグレード:オーロラ花珠や天女はすべて最強グレードになる。
巻き厚値:真珠層の厚みが何ミリあるかの測定結果
ボディーカラー:オーロラ花珠や天女は、すべてホワイト記載になる(ピンク色に見えても)
キズ及び面:オーロラ花珠や天女は必ず微表記になる。
かたち:オーロラ花珠や天女は、すべてラウンド表記になる。
備考:無調色の場合、ここに記載される。
オーロラ実写画像:干渉色の確認ができる。
この鑑別書で最初に確認したいのは、「オーロラ花珠」という特別呼称です。
ただし、「オーロラ花珠」と書いてあることだけを確認して終わりではありません。
サイズ、巻き厚、ボディカラー、形、品質分析なども一緒に確認します。
オーロラ花珠で特に見たいのは「実物のテリ」
鑑別書には、テリ・巻き・表面・形など、その真珠がどのように評価されているかを確認できる項目があります。
しかし同じオーロラ花珠という鑑別でも、実際の真珠の見え方がすべて同じになるわけではありません。
Elegant Pearlでは、鑑別名だけでなく、実際のテリ・巻き・干渉色まで確認して真珠を選んでいます。
真珠科学研究所「オーロラ天女」の鑑別書の見方

こちらはオーロラ天女の鑑別書です。
鑑別番号:オーロラ天女はSPから始まる番号
品名:連の場合はネックレス、その他ペアやルースと記載されている場合もある。
サイズ:真珠のサイズが記載されている。
鑑別書の種類:特別呼称オーロラ天女はここに記載されている。
干渉色の発現分類:干渉色にどの色が含まれ、全体としてどの色が強いのかがわかる。(ピンクグリーンの場合、グリーンも含まれるがピンクが多め)
オーロラ実写画像:干渉色の確認ができる。
キズ及び面:オーロラ天女は必ず微表記になる。
かたち:オーロラ天女は、すべてラウンド表記になる。
巻き厚値:真珠層の厚みが何ミリあるかの測定結果
備考:無調色の場合、ここに記載される。
オーロラ天女は、オーロラ花珠の中でも特にテリが優れた真珠に与えられる呼称です。
オーロラ天女=すべての項目が花珠より上、ではありません。
「天女」という名前を見ると、キズ・形・巻きなど、すべての品質項目が通常のオーロラ花珠より上だと思われることがあります。
しかし、オーロラ天女で特に重視されているのはテリです。
そのため、「天女だからすべての面で別の花珠より上」と単純に判断しない方がよいでしょう。
オーロラ花珠とオーロラ天女の詳しい違いについては、こちらの記事で解説しています。
真珠総合研究所「花珠」の鑑別書の見方

次は、真珠総合研究所の花珠です。
総研の鑑定鑑別書で特に分かりやすいのが、品質を複数の項目に分けて確認できることです。
パールサイズ
加工処理の程度:染めている場合、トリートメントにチェックが入る。ナチュラル系の場合、エンハンスメントのチェックが外されることもある。
鑑別グレード欄:花珠や厚まき良質真珠など、真珠総合研究所が発行するグレードコメントが入る
品位コメント欄:無調色の場合、ここに記載される。また、特別な記載事項がある場合にもここに記載される(画像では花珠の中でもテリが強い個体にはテリ最強の記載ができる)
巻き厚値:小数点2位までの記載がされる。(真珠科学研究所は1位までに変更された)
鑑別番号:MMから始まる個別番号が記載される。
グレード結果:花珠の場合、すべての項目がⅠになる。
主に、
- 巻き
- 形
- 光沢(テリ)
- キズ
- 仕上げ
を確認します。
花珠として認められた真珠では、これらの評価を見ることで、どの部分がどの水準にあるのかが分かります。
「花珠」という文字だけを見ない
総研の鑑別書は、花珠という呼称だけを見るより、右側の品質評価まで見ると理解しやすくなります。
例えば、
テリはどうなのか?
巻きはどうなのか?
キズはどうなのか?
を一つずつ確認します。
この違いは、次の「準花珠」と比べるとさらに分かりやすくなります。
真珠総合研究所「準花珠」の鑑別書の見方

こちらは準花珠です。
パールサイズ
加工処理の程度:染めている場合、トリートメントにチェックが入る。ナチュラル系の場合、エンハンスメントのチェックが外されることもある。
鑑別グレード欄:花珠真珠に準じますなど、真珠総合研究所が発行するグレードコメントが入る
品位コメント欄:無調色の場合、ここに記載される。また、特別な記載事項がある場合にもここに記載される
巻き厚値:小数点2位までの記載がされる。
鑑別番号:MMから始まる個別番号が記載される。
グレード結果:準花珠の場合、形状と傷はⅡまで許容されるが、それ以外の項目はすべてⅠが必須。(つまり準花珠グレードには形状Ⅰ傷Ⅱ・形状Ⅱ傷Ⅰ・形状Ⅱ傷Ⅱの3パターンが存在する)
「準花珠」と聞くと、花珠よりテリも巻きも大きく劣る真珠だと思う方もいるかもしれません。
しかし、実際には必ずしもそうではありません。
準花珠では、テリや巻きが高い水準にあっても、キズや形など一部の項目によって花珠ではなく準花珠になるケースがあります。
「花珠」と「準花珠」を比べると鑑別書の見方が分かる
ここが、今回4種類の鑑別書を紹介する中で、特に見ていただきたい部分です。
大切なのは、名称だけでなく「どの項目が違うのか」を見ること。
準花珠であっても、テリや巻きが花珠水準で、主な違いがキズや形という場合があります。
つまり、
「準花珠だから、すべての品質が花珠より一段下」
という意味ではありません。
キズの評価と「見た瞬間の美しさ」は別の話
真珠は自然が作るものなので、小さなエクボやキズがあります。
もちろん、キズが少ないことは品質評価において重要です。
しかし、ネックレスとして身に着けたときに、
非常にテリの強い準花珠
と、
キズは少ないものの、テリが穏やかな花珠真珠
を比較した場合、どちらを美しいと感じるかは、鑑別名だけでは決まりません。
ここが、鑑別書を見るうえでぜひ知っていただきたいポイントです。
「花珠鑑別書」があれば最高品質なの?
「花珠」という名前を見ると、
花珠=必ず最高品質
と思うかもしれません。
しかし、花珠鑑別書は非常に重要な判断材料ではあるものの、花珠という名称だけで真珠の美しさのすべてが決まるわけではありません。
第三者機関によって一定の基準で検査され、その結果が書類として記録されていることには大きな意味があります。
一方で、
「花珠と書いてあるから、あとは何も確認しなくていい」
という選び方はおすすめしていません。
鑑別書から「分かること」と「分からないこと」
花珠鑑別書から知れる情報は沢山ありますが、わかることと、分からない事をしっかり整理することは大切です。
鑑別書から分かること
- 真珠の種類
- サイズ
- 加工処理
- 品質評価
- 真珠層の巻き厚
- 花珠・天女などの呼称
- 鑑別機関が検査した客観的な情報
特に花珠真珠では、どの機関が、どのような基準で評価したものなのかを確認する重要な資料になります。
鑑別書だけでは分からないこと
- 同じ花珠同士の実際の見た目の差
- 自分が好きな色や干渉色か
- 顔に合わせたときに美しく見えるか
- その価格が妥当か
- 実際に見たときの印象
同じ鑑別名が付いていても、真珠は一つ一つ違います。
だからこそ、鑑別書と実物の両方を見ることが大切です。
Elegant Pearlでは鑑別書の「名前だけ」で真珠を選びません
Elegant Pearlでも、鑑別書は真珠の品質を確認する重要な資料として使用しています。
ただし、最終的に販売する真珠を選ぶときは、
テリ
巻き
干渉色
実際に見たときの美しさ
も重視しています。
今回紹介した準花珠は、この考え方を理解する良い例です。
「準花珠」という名前だけを見ると、花珠より大きく劣るように感じるかもしれません。
しかし鑑別書を詳しく見ると、何の評価が違うために準花珠になっているのかが分かります。
真珠ネックレスを選ぶときは、
鑑別書の評価を見ること
+
実際の真珠の美しさを見ること
この両方が大切だと考えています。
真珠ネックレス購入時の鑑別書チェックリスト
✓ どこの鑑別機関か
✓ 花珠・天女などの呼称
✓ テリと巻き
✓ キズと形
✓ 巻き厚の数値
✓ 無調色など加工処理の記載
✓ 最後に実物写真・動画を見る
この順番で確認すると、「花珠だから良い」という名称だけの選び方になりにくくなります。
花珠真珠そのものの選び方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
実際の商品をサイズ・品質・価格から比較したい方はこちらをご覧ください。
真珠の鑑別書・鑑定書に関するよくある質問
- 真珠は「鑑別書」と「鑑定書」どちらが正しいですか?
-
真珠専門の鑑別機関では、検査内容によって書類の名称が異なります。
真珠科学研究所では「真珠鑑別鑑定書」、真珠総合研究所では「真珠鑑定鑑別書」など、品質評価を含んだ書類も発行されています。
そのため、「鑑別書」「鑑定書」という名称だけで判断するのではなく、どの鑑別機関が発行し、どのような品質評価が記載されているかを見ることが大切です。
- 花珠の鑑別書があれば、どれを買っても同じ品質ですか?
-
同じではありません。
同じ花珠の呼称が付いていても、テリ・巻き・色・干渉色・キズ・形などには個体差があります。
そのため、花珠という名称だけでなく、鑑別書の評価内容や実際の商品写真・動画も確認することをおすすめします。
- 花珠と準花珠は何が違いますか?
-
真珠総合研究所の品質評価では、花珠と準花珠で各項目の評価に違いがあります。
準花珠であっても、テリや巻きが花珠水準で、形やキズなど一部の項目によって準花珠となっている場合があります。
そのため、「準花珠だからすべての品質が花珠より劣る」と判断するのではなく、鑑別書の各評価項目を見ることが大切です。
- オーロラ花珠とオーロラ天女は何が違いますか?
-
どちらも真珠科学研究所が発行する特別呼称ですが、オーロラ天女は特にテリに優れた真珠に与えられる呼称です。
ただし、オーロラ天女だからキズ・形・巻きなど、すべての項目がオーロラ花珠より上という意味ではありません。
詳しい違いについては、オーロラ天女とオーロラ花珠の違いで詳しく解説しています。
- 真珠科学研究所と真珠総合研究所はどちらが上ですか?
-
単純にどちらが上とは判断できません。
それぞれ独自の評価方法や呼称、鑑別書の記載方法があります。
鑑別機関の名前だけで優劣を決めるのではなく、その鑑別書で何がどのように評価されているかを見ることが大切です。
- 同じ花珠真珠なのに価格が違うのはなぜですか?
-
花珠真珠は一定の基準を満たしていますが、その中でも品質には幅があります。
テリや巻き、色・干渉色、キズ、形、サイズなどが異なるため、同じ花珠という呼称でも価格に差が出ることがあります。
そのため、価格を比較するときも「花珠かどうか」だけではなく、実際の品質まで確認することが大切です。
- 古い花珠鑑別書でも問題ありませんか?
-
鑑別書が古いという理由だけで、その鑑別結果が無効になるわけではありません。
ただし、鑑別書は発行された時点での真珠の状態を確認した資料です。
真珠そのものは保管状態や使用状況によって変化することがあるため、中古品や長期間保管された真珠を購入する場合は、鑑別書だけでなく現在の商品状態も確認すると安心です。
- 無調色かどうかは鑑別書で分かりますか?
-
無調色について検査され、その結果が記載されている鑑別書であれば確認できます。
無調色真珠を探している方は、商品名や販売ページだけでなく、鑑別書の備考欄や品位コメント欄などの記載も確認してみてください。
- 鑑別書が付いていない真珠ネックレスは品質が悪いですか?
-
鑑別書が付いていないことだけで、真珠の品質が悪いとは判断できません。
鑑別を取得していない高品質な真珠もあります。
ただし、通販など実物を直接確認できない場合は、鑑別書が品質を判断する一つの客観的な材料になります。
この点については、こちらの記事でも詳しく解説しています。








